PTSD(心的外傷)の症状
(診断基準を含む)、そして治療と回復基準
http://ptsd.name/
       
【概要】
■関係する3種類の病名と病気の定義
PTSD
  :Post-Traumatic Stress Disorder
  :心的外傷後ストレス障害
ASD
  :Acute Stress Disorder
  :急性ストレス障害
CPTSD
  :Complex Post-Traumatic Stress Disorder
  :複雑性心的外傷後ストレス障害
  (長期間、反復的にトラウマを負う)

■Trauma=トラウマ
Trauma=トラウマには、「身体的外傷」と「精神的外傷=心的外傷=心の傷」の両方の意味があります。 PTSDのTrauma=トラウマは、「精神的外傷=心的外傷=心の傷」のほうです。 すなわち、心の傷=トラウマです。

■PTSDの症状
1)思考の侵入(再体験を頭で思う)
  フラッシュバックや夢の形で繰り返しよみがえることです。
  また、思い出したときに、気持ちの動揺、動悸、冷汗などの身体的反応も起こります。
  DSM-IVの文章に、「侵入的」という言葉が使われています。

2)回避/麻痺症状
  出来事に関係することを極力回避する、 例えば、関係した場所、関係した人を避けようとすることが起こります。
  出来事の記憶の一部(全部)が思い出せないことも起こります。
  また、趣味や日常の活動に興味や関心がわかなくなり、感情が麻痺したようになり、愛情や幸福感などを感じにくくなります。
  将来のことも否定的になります。

3)覚醒亢進症状
  リラックスできず、睡眠障害、イライラ、そして、なにごとにも必要以上に警戒してしまうことが起こります。
  ちょっとした音などにも、驚いてしまいます。

■自責の念が付きまとう
非常に強力な外からのプレッシャーに耐えられずに、心の中に間違った意識として形成される。

1)肉親を病気で亡くしたときに、自分が代わりになれなかったのかと言う思い。
2)娘(成人していても)を交通事故に遭わしてしまったのは、自分の責任だと思う。
3)親からの性的虐待を受けた子供が、「はっきりNOと言えなかった」、自分の責任だと思う。

■相反する感情を持つ
長期に及ぶ反復性外傷を経験した人たち(CPTSD)が、その環境を生き延びるために持たざるをえなかった適応症状として、被害者が加害者に対して相反する感情(恐怖と愛情・怒りと自責・悲観と希望など)を抱くことが起こる。
1)恐怖ゆえに愛情がわく。
2)怒りゆえに自責がわく。
3)悲観ゆえに希望がわく。

恐怖・怒り・悲観が強いほど、反対の気持ちが強くなる。 すなわち、外圧が強すぎて精神が持たないので、内的な思考に置き換えるということ。

■心理的結合が出来上がる「ストックホルム症候群」
1973年、ストックホルムの銀行を強盗が襲い、犯人は数人の人質をとって立てこもった。警官隊と何度も衝突をくり返し、人質が解放されたのは、事件発生から1週間後。
しかし、人質を解放した後、事件関係者は不思議なことに気づく。当然、犯人を憎むはずの人質が、口々に犯人をかばうような証言をするのだ。それだけではなく、「感謝されるはずの」警察を、侮辱するようなことさえ口にする。
そのうえ、事件が解決した後、人質の1人であった女性が、なんと、犯人グループの一人と結婚してしまう。これが、最初に有名になった「ストックホルム症候群」で、この症候群は、この事件から名付けられた。

■体験中、または、その後に解離性症状が起こる。
そのことを覚えてない、または、逃げ出し保護された以降のことを忘れることがある(DSM−W ASDに記載)。
解離性症状:健忘、現実感の喪失、感覚や感情の麻痺
本「インパクト オブ トラウマ」に、PTSDと解離性障害は別の疾患に分類されているが、非常に似たものであると言う記載があります。

■再被害から身を守るため混乱
守ってくれるパートナー、弁護士などを加害者と誤認識する、または、避けるなどの混乱が起きる。 これは、<DSM−W PTSD>「外傷を想起させる活動、場所または人物を避けようとする努力」にあたります。
人によっては、再被害から身を守るために、「孤独」を選択する人もいる。 回復の中で、また、「安全」を認識することで、この混乱はなくなる。

■涙なんかでない
激しい恐怖や苦しさが潜在化されているので、悲しくて涙が出るような感情ではない。「悲しくて涙が出る」ことは、PTSDでない。PTSDを治療することで、やっと、涙が出るようになる。

■自傷・嗜癖
自分の感情からの情報を閉ざすために、自傷・嗜癖などする。

■回復
回復すると言うことは、いろいろな感情を全て、幅広く、分けて、感じられ、感情に耐えられ揺り動かされずに、感情に基づいて行動できる。

■治療の基本
トラウマを処理するには、繰り返し語り、安全な環境の中で再体験し、記憶の再統合すること、すなわち、「外傷性記憶」を「語りの記憶」に変換し、認知体系に再組込し、自分自身の記憶に組み込んでいくことである。

 
 
【病気の定義】
■PTSD:Post-Traumatic Stress Disorder:心的外傷後ストレス障害
DSM−Wに詳しく定義されています。「A:事項」と「B〜D:症状の3項目:思考の侵入(再体験を頭で思う)、回避/麻痺症状、覚醒の持続的亢進(リラックスできず、びくびくする)」です。なお、「A:事項」については重要視されなくなってきています

<DSM−W(DSM−W−TRも内容同じ)>
A.患者は以下の二つがともに認められる外傷的なできごとにさらされたことがある。
(1)実際にまたは危うく死ぬまたは重症を負うようなできごとを、一度または数度、
  または自分または他人の身体の保全に迫る危険を患者が体験し、目撃し、または直面した。
(2)患者の反応は強い恐怖、無力感または戦慄に関するものである。
  注 子どもの場合はむしろ、まとまりのないまたは興奮した行動によって表現されることがある。

B.外傷的なできごとが、以下の一つ(またはそれ以上)の形で再体験され続けている。
(1)できごとの反復的、侵入的、かつ苦痛な想起で、それは心象、思考、または知覚を含む。
  注 小さい子どもの場合、外傷の主題または側面を表現する遊びを繰り返すことがある。
(2)できごとについての反復的で苦痛な夢。
  注 子どもの場合は、はっきりとした内容のない恐ろしい夢であることがある。
(3)外傷的なできごとが再び起こっているかのように行動したり、感じたりする
  (その体験を再体験する感覚、錯覚、幻覚、および解離性フラッシュバックのエピソードを含む、また覚醒時または中毒時に起こるものを含む)。
  注 小さい子どもの場合は、外傷特異的な再演が行われることがある。
(4)外傷的できごとの一つの側面を象徴しまたは類似している内的または外的きっかけにさらされた場合に生じる、強い心理的苦痛。
(5)外傷的できごとの一つの側面を象徴し、または類似している内的または外的きっかけにさらされた場合の生理学的反応。

C.以下の三つ(またはそれ以上)によって示される、(外傷以前には存在していなかった)外傷と関連した刺激の持続的回避と、全般的反応の麻痺。
(1)外傷と関連した思考、感情または会話を回避しようとする努力。
(2)外傷を想起させる活動、場所または人物を避けようとする努力。
(3)外傷の重要な側面の想起不能。
(4)重要な活動への関心または参加の著しい減退。
(5)他の人から孤立している、または疎遠になっているという感覚。
(6)感情の範囲の縮小(例:愛の感情を持つことができない)。
(7)未来が短縮した感覚(例:仕事、結婚、子ども、または正常な一生を期待しない)。

D.(外傷の以前には存在していなかった)持続的な覚醒亢進症状で、以下の二つ(またはそれ以上)によって示される。
(1)入眠または睡眠維持の困難。
(2)易刺激性または怒りの爆発。
(3)集中困難。
(4)過度の警戒心。
(5)過剰な驚愕反応。

E.障害(基準B、C、およびDの症状)持続期間が一ヶ月以上。

F.障害は、臨床的に著しい苦痛または、社会的、職業的または他の重要な領域における機能の障害を引き起こしている。

該当すれば特定せよ。
 急性   症状の持続期間が三ヶ月未満の場合
 慢性   症状の持続期間が三ヶ月以上の場合
 発症遅延 症状の始まりがストレス因子から少なくとも六ヶ月の場合。

■ASD:Acute Stress Disorder :急性ストレス障害
外傷体験(トラウマ)の最中や、直後に起こる反応(症状)です。

<DSM−W(DSM−W−TRも内容同じ)>
A.患者は以下の二つがともに認められる外傷的なできごとにさらされたことがある。
(1)実際にまたは危うく死ぬまたは重症を負うようなできごとを、一度または数度、
  または自分または他人の身体の保全に迫る危険を患者が体験し、目撃し、または直面した。
(2)患者の反応は強い恐怖、無力感または戦慄に関するものである。

B.苦痛なできごとを体験している間、またはその後に、解離性症状の三つ(またはそれ以上)がある。
(1)麻痺した、孤立した、または感情反応がないという主観的感覚。
(2)自分の周囲に対する注意の脆弱。(例:ぼうっとしている)
(3)現実感消失。
(4)離人症。
(5)解離性健忘。(すなわち、外傷の重要な側面の想起不能)

C.外的なできごとは、少なくとも一つの形で再体験され続けている。
  反復する心象、思考、夢、錯覚、フラッシュバックのエピソード、またはもとの体験を再体験感覚、
  または外傷的なできごとを想起させるものにさらされたときの苦痛。

D.外傷を想起させる刺激(例=思考、感情、会話、活動、場所、人物)著しい回避。

E.強い不安症状または覚醒亢進。(例=睡眠障害、易刺激性、集中困難、過度の警戒心、過剰な驚愕反応、運動性不安)

F.その障害は、臨床的に著しい苦痛または、社会的、職業的 または他の重要な領域における機能の障害を引き起こしている。
  または、外傷的な体験を家族に話すことで必要な助けを得たり、人的資源を動員するなど、必要な課題を遂行する能力を傷害している。

G.その障害は、最低二日間、最大四週間持続し、外傷的できごとの四週間以内に起こっている。

H.障害が、物質(例=乱用薬物、投薬)または一般身体疾患の直接的な生理学的作用によるものでなく、
  短期精神病障害ではうまく説明されず、すでに存在していた第一軸または第二軸の障害の単なる悪化ではない。

■CPTSD:Complex Post-Traumatic Stress Disorder:複雑性心的外傷後ストレス障害
PTSDは、一過性・単発性の事件を想定しています。
長期間に、反復的にトラウマを負った場合、症状は、PTSDと酷似・類似しますが、PTSDの範囲では納まりきれないこともあります。これを、CPTSDと言います。CPTSDは現在、精神医学上認められた疾患ではありませんが、単純性PTSDよりも、さらに重症・長期・広範囲の心理学的外傷を含む診断名の必要性を、多くの臨床家が唱えています(DSM−Wでは、定義されていません)。

『心的外傷と回復』 ジュディス・L・ハーマン/著 中井久夫/訳 みすず書房 「新しい診断名を提案する」には、次のように詳細に書かれています。

1 全体主義的な支配下に長期間(月から年の単位)服属した生活史。
  実例には人質、戦時捕虜、強制収容所生存者、一部の宗教カルトの生存者を含む。
  実例にはまた、性生活および家庭内日常生活における全体主義的システムへの服属者をも含み、
  その実例として家庭内殴打、児童の身体的および性的虐待の被害者および組織による性的搾取を含む。

2 感情制御変化であって以下を含むもの
 ・持続的不機嫌
 ・自殺念慮への慢性的没頭
 ・自傷
 ・爆発的あるいは極度に抑止された憤怒(両者は交代して現れることがあってよい)
 ・強迫的あるいは極度に抑止された性衝動(両者は交代して現れることがあってよい)

3 意識変化であって以下を含むもの・外傷的事件の健忘あるいは過剰記憶
 ・一過性の解離エピソード
 ・離人症/非現実感
 ・再体験であって、侵入性外傷後ストレス障害の症状あるいは反芻的没頭のいずれかの形態をとるもの

4 自己感覚変化であって以下を含むもの
 ・孤立無援感あるいはイニシアティヴ(主動性)の麻痺
 ・恥辱、罪業、自己非難
 ・汚辱感あるいはスティグマ感
 ・他者とは完全に違った人間であるという感覚
  (特殊感、全くの孤在感、わかってくれる人ほいないという思い込み、自分は人間でなくなったという自己規定が含まれる)

5 加害者への感覚の変化であって以下を含むもの
 ・加害者との関係への没頭(復讐への没頭を含む)
 ・加害者への全能性の非現実的付与(ただし被害者の力関係のアセスメントの現実性は臨床家よりも高いことがあううるのに注意)
 ・理想化あるいは逆説的感謝
 ・特別あるいは超自然的関係の感覚
 ・信条体系の受容あるいは加害者を合理化すること

6 他者との関係の変化で以下を含むもの
 ・孤立と引きこもり
 ・親密な対人関係を打ち切ること
 ・反復的な救助者探索(孤立・引きこもりと交代して現れることがあってよい)
 ・持続的不信
 ・反復的な自己防衛失敗

7 意味体系の変化
 ・維持していた信仰の喪失
 ・希望喪失と絶望の感覚



■PTSDの診断の手引き
下記の書籍が精神障害(含:PTSD)の診断の手引きとなります。



【PTSDと脳】
このように、PTSDは心理的なダメージなのですが、脳の物理的変化も起こしていることが分かってきています。 脳をMRI(磁気共鳴断層撮影装置)で撮影すると、PTSDの人は、海馬が縮小しています。また、扁桃体にも損傷があることが確認されています。脳の血流も海馬周辺で滞ることがあり、海馬の萎縮は副腎皮質ホルモンや脳内麻薬様物質(オピオイド)の過剰放出によるものと言われています。

これらの物理的な損傷や萎縮も、再生されることが分かってきています。 海馬の再生にはセロトニンが大きな役割を果たしています。



【PTSDの治療】
PTSDの症状は、それ自体が患者に苦痛と感じられてはいても、患者が外傷的体験の破壊的影響をやわらげ、精神の統合性を辛うじて保つための避難場所、ある種の自己治療としての意味合いがあります。なお、下記の療法以外に、不安を軽減するために、薬物治療を行います。

■心理教育(PTSD教育)
PTSDの症状について説明します。これにより、自分の症状に対して、理解することができます。怒りの向きの説明なども含まれます。

■認知行動療法(イメージ曝露法、実生活内曝露、認知療法=認知再構成)
トラウマを処理するには、繰り返し語り、安全な環境の中で再体験し、記憶の再統合すること、すなわち、「外傷性記憶」を「語りの記憶」に変換し、認知体系に再組込し、自分自身の記憶に組み込んでいくことである。また、自責感を軽減し正常であることを保障すること、自己統御感(セルフコントロール)や自己尊重感(セルフエスティーム)の回復が重要なことである。

ただ、治療過程には、外傷的体験を思い起こさせたり、問題に直面させる作業を含むので、治療そのものが、患者にとって破壊的、侵入的に受け取られる危険が大きく、治療によって一時的にはかえって不安定になったり、混乱状態になることも少なくありません。

■その他
EMDR、TFT(思考場療法)、集団療法などです。

■新説 「血糖値の変動の少ない食事、セロトニンを増やす食事」
下記に記載する内容は、新説です。学会の主流ではありません。

アドレナリン・ノルアドレナリン・ドーパミン(前駆体)等のホルモンは、脳内物質の感情などをつかさどっているのですが、 体内に存在するうちの2%ほどが脳内にあるだけです。これらの残りは消化管の運動のためや止血など血中で使われます。例えば、空腹になりすぎて、低血糖になったとします。通常は、インスリンやグルカゴンだけで制御できるのですが、70mg/dlを切り60mg/dlを下回るようになると、セロトニン、アドレナリン、ノルアドレナリン等などが、大量に分泌されます。副腎皮質ホルモンのコルチゾンなども分泌されます。

国の「機能性低血糖」を調査するためのチラシ「研究のための耐糖能試験に 参加しませんか?」にとんでもないことがさらっと記載されています。
[補足]アクセスできないときのために、バックアップをとりました。バックアップはこちらです。

“統合失調症やうつ病を発症すると、耐糖能異常になりやすいと言われておりますが、詳しい原因は分かっていません。”


ここの「耐糖能異常」とは、低血糖のことです。

これらをもとに、PTSDの回復のために、次の2つを提案します。
  1. 機能性低血糖を回避するために、3食の主食のご飯・パンを少ない目にする(血糖値を上げない)。その分は、砂糖含め炭水化物の少ない食べ物の間食をする(血糖値を下げすぎない)。長寿の人の腹八分目とも一致してきます。
  2. セロトニンを体内で大量生産できるようにする。原料となる食物は必須アミノ酸のうちのトリプトファンです。たんぱく質に多く含まれています。肉、魚、豆、種子、ナッツ、豆乳や乳製品などに豊富に含まれます。大豆プロテインは最も有効です。体内の触媒として、ビタミンB6が必要です。さらに、睡眠と適度な運動(日光を浴びて)が、不可欠のようです。
上記の2つは、肉食を中心にするとも読めます。炭水化物(糖質)は、少ない目にすることです。

心理的なダメージなので、食生活とは無縁と思っていたのですが、この新説は、身体の仕組みとつながっていて、矛盾はありません。 急激に症状が楽になったという話もあります。



【PTSDの回復】
■Mary Harveyの回復基準

(1)「記憶に対する支配力」を得る。
  侵入・フラッシュバックや悪夢ではなく、自分が必要な時に自分で選んで思い出せる。

(2)「記憶と感情の統合」ができる。
  「記憶」か「感情」のどちらかしかないのではなく、その時のできごとを感情を伴って思い出すことができ、怒りを表現できる。

(3)「感情耐久力」がつく。
  自傷・嗜癖などをして、自分の感情からの情報を閉ざさなくても、
  いろいろな感情を全て、幅広く、分けて、感じられ、感情に耐えられ、揺り動かされずに、感情に基づいて行動できる。

(4)「症状の統御」ができる。
  症状を取り除くのではなく、症状を予知、防止、対処、管理できる能力を身に付ける。

(5)「自尊心」を得る。
  自尊心は「たった一回」の性暴力・性虐待で破壊される。
  幼児期から長期にわたる性虐待は、自己同一性を混乱させ、自己評価を悪いものにするので、自己イメージの修復が必要。
  「自尊心」〜「自己統合」へのパスウェイは人それぞれで、個々人が「自分の道」を通っていかなければならない。
  自傷のコントロールなど、それぞれが身体的安全を得る。

(6)「自己統合」ができる。
  「自己統合」とは、「外部の私」(例えば現在の、うまくいっている、イメージ通りの私)」と「解離」している、
  「内面の私」(子どものころの私)との統合。
  一見「ファンクションしている人」の内面世界は、外面と解離して混乱していることがある。

(7)「安全な愛着」をする。
  「新しいモデル」を見聞きすることによって、 「何をもって安全か?」を見極める力をつける。
  再被害から「孤独」によって身を守る極端を選ぶサバイバーは多いが、回復の中で修復される。

(8)「意味付け」作業ができる。
  「過去の被害」に新たな「意味」を見出す、個々人のユニークな作業。

 *この8つの「トラウマからの回復作業」は順次ではなく、同時に行われる。

【段階1】
  「安全と自己管理」をテーマに据えながらの、8つの回復作業。
  記憶の統制力を持つ。自分の行動を理解して症状を管理する。

【段階2】
  「トラウマの統合」をテーマに据えながらの、8つの回復作業。
  被害時にシャットアウトしていた「感情」に、自らアクセスして「記憶」と統合する。
 *サバイバーは個別のセラピーにおいて、一番よく記憶が取り戻せる。
   サバイバーは自助において、「孤独ではない」「理解してくれる人がいる」ことを学ぶ。

【段階3】
  「他者との関係の再統合」をテーマに据えながらの、8つの回復作業。
  過去は「変えられない・回想するしかない」ことを受け入れると、過去に対して感じるものが「怒り」から「悲しみ」に変わる。

 
 
【関連書籍:ぜひ読んでいただきたい本】
 
PTSD(心的外傷後ストレス障害) −こころライブラリー


著者:金 吉晴, 加藤 寛, 小西 聖子, 飛鳥井 望, 広幡 小百合 出版社:星和書店
発行日:2004年02月 価格:¥1,995(税込)


【出版社/著者からの内容紹介】
震災、交通事故、犯罪、虐待などによって心に傷を抱える病――PTSD(心的外傷後ストレス障害)。それはどんな病気なのでしょうか。そして心の傷はどのように癒されていくのでしょうか。本書は、PTSDの概念とその歩みをわかりやすく解説したうえで、さまざまな症例の病態や治療経過などを数多く紹介して、PTSDの深い理解へと導きます。
 
 
【目次】
PTSDの現在  金吉晴

日本におけるPTSDの歩み  金吉晴 飛鳥井望 加藤寛
 阪神・淡路大震災が契機
 日本でのPTSDとは
 PTSDと社会の関係
 国際シンポから学会設立へ
 診断と社会的影響
 災害時のPTSDケアとは
 スクリーニングの重要性と有効性
 専門性の確立と普及の両立に向けて

PTSDの歴史と診断について  金吉晴
 1、はじめに
 2、DSMにおけるPTSD概念
 3、診断についての留保

PTSDの発症と遷延化に寄与するもの  加藤寛
 はじめに
 トラウマ体験の大きさと、直後の反応
 脆弱性と回復力
 脆弱性としての性格傾向
 おわりに

トラウマの後遺症  廣幡小百合 小西聖子
 1、はじめに
 2、PTSDの症状
  1.再体験症状(侵入症状)
  2.回避・麻痺症状
  3.過覚醒症状
 3、複雑性PTSD
 4、急性ストレス障害(ASD)
  感覚の麻痺、感情の麻頼
  周囲に対する注意力の減退
  現実感の喪失
  離人体験
  解離性健忘
 5、おわりに

PTSDと脳のメカニズムの仮説  綱島浩一 加藤進昌
 PTSD
 PTSDと脳画像所見
 PTSDとコルチゾール分泌
 グルココルチコイドと海馬障害

PTSD−当事者の立場で  白川美也子
 1、当事者の声を聞く
 2、「専門」とは何か?
 3、PTSDのわかりにくさ
 4、援助者も当事者化する−代理被害と2次被害の関係
 5、危機的状況への対処とケアの基本
 6、おわりに

PTSDはどのような治療が可能か  飛鳥井望
 はじめに
 1、PTSDの精神療法の効果
   心理教育(トラウマ教育)
 2、認知行動療法
  1.イメージ曝露法
  2.実生活内曝露
  3.認知療法(認知再構成)
 3、EMDR
 4、TFT(思考場療法)
 5、集団療法
 6、薬物療法
  1.選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)
  2.三環系抗うつ薬(TCA)
  3.アドレナリン括抗薬
  4.ペンゾジアゼピン
  5.抗けいれん薬
  6.抗精神病薬
 おわりに

子供の心的外傷後ストレス障害  元村直靖
 はじめに
 1、心的外傷の定義
 2、心的外傷後のさまざまな症状
 3、心的外傷後のストレス障害
 4、子供の心的外傷後のストレス障害の診断
 5、PTSDの出現率と経過
 6、子供への危機介入とケア
  1.危機介入
  2.心的外傷を負った子供のケア
 7、治療
  1.薬物療法
  2.精神療法
 おわりに

性犯罪被害女性の心理療法の経過  大山みち子
 はじめに
 症例呈示
  30代 女性 教育職
 経過
  電話相談
  面接1回目
  10回目頃
  25回目頃
  30回目頃
  60回目頃〜70回目頃
 考察
 加害者や来談経路との関連
 自宅での被害という点
 経過に伴う自己イメージ・他者イメージの変化
 面接に継続して来所していること
 回復の経過
 面接でのやりとりについて注意していること

PTSDと診断されたドメスティック・バイオレンス被害女性の1例
    加茂登志子
 1、はじめに
 2、症例提示
  A子 初診時47歳 女性
  現病歴
  初診から診断まで
  治療経過
 3、考察
  1.診断と診断における問題点
  2.症状学的特徴
   a.断片化され統合性を失った陳述
   b.自己評価の著しい低下を主体とする認知の歪み
   C.離婚調停におけるPTSD症状の再燃
  3.治療と対応の方法
 4、おわりにかえて

すれちがいの親子 心理的虐待の1例  笠原麻里
 症例呈示
  初診時の様子
  生育歴・経過
  心理検査
  入院後経過
 考察

職場事故とPTSD 症例から学ぶ回復の道程  前田正治
 1、はじめに
 2、症例
  29歳女性 会社寮の調理師
  第1期
  第2期
 3、考察
  1.職場と心的外傷
  2.何が回復するのか?
 4、おわりに

殺人被害者遺族の症例  佐藤志穂子
 1、症例呈示
 2、治療経過
  初診‥死別から約2カ月経過
  第2回から第4回診察‥死別後約2カ月〜5カ月
  第5回から第10回診察‥死別後約5カ月〜8カ月
  第10回から第13回診察‥死別後約8カ月〜11カ月
  第14回から第17回診察:死別後約11カ月〜13カ月
  第18回から現在:死別後約13カ月〜24カ月
 3、考察

看過されがちなワークプレイス・トラウマの1例 野田哲朗
 1、症例呈示
  30歳女性 独身 障害者福祉相談施設のケアマネージャー
 2、治療経過
  2000年10月Y日初診
  2000年10月Y+14日
  2000年H月与2001年5月
  2001年6月与2002年3月
 3、考察

阪神・淡路大震災後−PTSD症例とそれ以外の病態と  岩井圭司
 1、はじめに
 2、震災発生直後−統合失調症(精神分裂病)患者のことなど
 3、避難所の時期におけるPTSD以外の病態について
  [症例1:3人組]
 4、仮設住宅の時期におけるPTSD症例
  [症例2:老夫婦]
   a.症例呈示と治療経過
   b.考察

文献
略語一覧
初出一覧
執筆者

 
 
 
心に傷をうけた人の心のケア−PTSD(心的外傷後ストレス症候群)を起こさないために


著者:クラウディア ハーバート 訳者:勝田 吉彰  出版社:保健同人社
発行日:1999年04月 価格:¥1,260(税込)


【内容(「MARC」データベースより)】
火災などの人災、大地震などの自然災害、そして暴力や性的虐待などによる心の外傷体験を正しく理解し、回復のために自分と向き合うことについて、大きな活字でやさしく説くハンドブック。
 
【目次】
まえがき
訳者まえがきと補足

●外傷体験と、あなたの反応を理解しましょう
はじめに
外傷とは何か?
 外傷となりうる主な出来事
この本を読んでいただきたい方
なぜ、外傷体験が大きな心理的影響を及ぼすのか
外傷体験をどう感じて、適応するのか?
外傷に対するごく普通の反応
 外傷の再体験
   外傷の不快な記憶の再生
   繰り返される苦痛に満ちた悪夢と不眠
   フラッシュバック
 感覚鈍麻と回避反応
   感覚鈍麻
   回避反応
 覚醒水準の上昇による反応(過覚醒)
   入眠障害と熟眠障害
   神経過敏、怒りの爆発
   集中困難と記憶の障害
   注意過剰と自分および周囲の安全に対する過度の関心
   驚き反応
   外傷体験を思い起こさせる場面での体の反応
外傷に対するその他の反応
 身近な人との死別からくる反応
 体の変形、体の一部分を失ったとき
 性の問題
 抑うつ
 罪悪感、自責
   外傷のあらゆる面に関して、
      あるいは、そのときの自分の行動についての自責
   自分が犠牲になればよかったという気持ち
外傷後ストレス障害(PTSD)
外傷に対し誰もが同じ反応を示さないのはなぜ?

●外傷に、向き合いましょう
内的モデルの再建
回復のはじめに役立つことを少し
 隠さず、しゃべりまくろう!
 どうや1て外傷について話すか
 日常生活での障害を取りのぞくために
 不安の扱い方
 怒りやイライラ感の扱い方
 睡眠障害
 性の問題
 アルコールと薬物(ドラッグ)乱用
 服薬
専門家をどう利用するか
もし治療中なら、途中で投げ出さないように
家族やパートナーヘの影響

日本の相談機関
参考図書
あとがき
 
 
 
 
 
正しく知る心的外傷・PTSD 〜正しい理解でつながりを取り戻す〜 (ぐっと身近に人がわかる)

著者:水島 広子 出版社:技術評論社
発行日:2011年08月 価格:¥1,554


【内容(「BOOK」データベースより)】
衝撃を受けた時、人はどのように対処すればよいのか。精神科専門医・元衆議院議員が語る心的外傷からの回復法。
【目次】
  • はじめに〜本書で理解していただきたいこと

  • 第1章 心的外傷(トラウマ)とは何か
    • 対処できる衝撃と対処できない衝撃
    • 心的外傷を受けやすい出来事の特徴
    • 心的外傷=「まあ、何とかなるだろう」という感覚からの離断
    • よく見られるストレス反応
    • 子どもの心的外傷
    • 「反応」は「症状」ではない
    • 心的外傷に関連した病気
    • PTSDの治療法

  • 第2章 心的外傷からの回復のプロセス
    • 人は回復する
    • 回復のキーワードはつながり
    • 心的外傷からの回復にはプロセス性がある
    • 心的外傷の受け方は一人ひとり違う

  • 第3章 回復のために自分で工夫できること
    • 本章を読むに当たって
    • 人と一緒にできること
    • ストレス反応は自然なものだと知っておく
    • 生活面で工夫できること
    • リラックスしたり楽しんだりする
    • 「やらなければならないこと」をできるだけ小さくする
    • 以上のことかうまくできないと自分を責めない
    • 効果的でない対処行動

  • 第4章 心的外傷からの回復に向けて周りの人ができること
    • いろいろな形での「つながり」を意識する
    • 評価を手放して安全な環境を作る
    • 心的外傷体験を語らせない
    • 話を聴く際に注意したいこと
    • 人にはそれぞれの対人関係パターンかあることを認める
    • ストレス反応を知って評価を手放す
    • 心的外傷を受けた人を支える際に注意した方かよいこと
    • 人が助けを求めにくい理由

  • 第5章 心的外傷体験に死別が伴う場合
    • 悲しみのプロセスは進みにくくなることかある
    • 衝撃的な体験で死別を経験した子どもの場合

  • 第6章 情報とのつき合い方
    • 情報からも傷を受ける
    • 情報提供の際の注意点
    • 不確定情報とのつき合い方

  • 第7章 心的外傷が人間関係を損ねないようにするために
    • 心的外傷は対人関係に影響を与える

  • 第8章 支援者のストレス・心的外傷
    • 支援者も心的外傷を受ける
    • 援者の心を守るためにできること

  • 第9章 どんな人も「被災」する〜自分の中の「被災」を見つめる〜
    • 「当事者」でない人はいない
    • それぞれの感じ方の違いを尊重する
    • 罪悪感を手放す

  • あとがき
  • 参考文献
  • 索引
 
 
 
 
 
トラウマの心理学―心の傷と向きあう方法

著者:小西 聖子 出版社:日本放送出版協会
発行日:2001年09月 価格:¥872(税込)


【内容(「BOOK」データベースより)】
思いもよらぬ犯罪が相次ぐ現在、人の対処能力を超えた圧倒的な出来事によって生じる心の傷、トラウマに人々の関心が集まっている。被害者学を専門とし、長い間犯罪被害者のカウンセリングを行い、援助してきた精神科医が、豊富なケースをもとに、この心の傷と支援の可能性について語る。
【目次】
はじめに

第1章 犯罪被害者の苦痛
  被害の後に起こること
  A子さんの経過
  被害者の心情

第2章 トラウマとは何か
  トラウマとは
  トラウマとなるできごとの特性
  トラウマとなるような体験の経験率
  反応の個人差
  トラウマ研究の歴史
  ベトナム戦争
  女性への暴力
  PTSDの概念の発展と日本

第3章 よみがえる心の傷・PTSD
  PTSDの位置づけ
  再体験
  回避
  過剰覚醒の持続
  事件の最中から起こってくること

第4章 性暴力ヘの誤解
  日本における性暴力被害の実態
  強姦に対する偏見
  強姦の被害者
  2次被害の問題

第5章 ドメスティック・バイオレンス
  社会問題化する配偶者間の暴力
  ドメスティック・バイオレンスとは
  ドメスティック・バイオレンスの心理
  シェルターなどのサポート
  暴力の理由
  依存と暴力

第6章 被害にあったとき
  突然家族を失ったとき
  性暴力の被害にあったとき
  ドメスティック・バイオレンス
  心理教育
  具合が悪くなるのは当然だと知る
  助けを求める
  日常生活を保つ
  薬の助け
  自分を責めない
  話を聞くこと

第6章 被害にあったとき
  突然家族を失ったとき
  性暴力の被害にあったとき
  ドメスティック・バイオレンス
  心理教育
  具合が悪くなるのは当然だと知る
  助けを求める
  日常生活を保つ
  薬の助け
  自分を責めない
  話を聞くこと

第7章 子どもの心の傷
  子供の犯罪被害
  児童虐待の体験
  虐待のあとに起こってくること
  生き延びること

第8章 トラウマの治療
  トラウマティックな体験
  専門家が必要なとき

第9章 援助者は何ができるか
  援助者のメンタルヘルス
  バーンアウトの要因
  性的な問題を扱う
  この問題に対処するために

第10章 被害者と加害者
  犯罪学と被害者学
  被害者援助の発展
  経済的な補償
  ミーガン法の問題

第11章 加害者への取り組み
  和解プログラム
  和解プログラムの限界
  加害者への治療教育
  外国の加害者カウンセリング

第12章 私にとっての被害者サポート
  被害者相談をはじめる
  阪神・淡路大震災
  心のケア
  援助の仕事

 
 
 
PTSD 人は傷つくとどうなるか

編集:加藤 進昌, 樋口 輝彦, 不安抑うつ臨床研究会 出版社:日本評論社
発行日:2001年02月 価格:¥1,785(税込)

【内容(「MARC」データベースより)】
こころに残った大きな傷が今でも鮮やかによみがえり、苦しんではいませんか。それはPTSDと呼ばれる病気かもしれません。はじめにPTSDの概念と背景、診断と治療の試みを説明し、後半で具体的なケースの数々を紹介する。
 
【目次】
はじめに

第1部 PTSDとは何か
 PTSDとは何か  飛鳥井望
 ストレスと脳  加藤忠史・加藤進昌
 PTSDの生理学的所見と脳画像  岩波明・大渓俊幸
 PTSDと薬物療法  樋口輝彦
 PTSDの認知行動療法  佐藤健二・坂野雄二
 PTSDと新しい治療法―EMDR  熊野宏昭
 PTSDと損害賠償  黒木宣夫

第2部 PTSDの症例
 自然災害におけるPTSD  岩井圭司
 被虐待児のこころのケアについて考える  柴崎喜久代・伊東ゆたか・犬塚峰子
 性暴力被害におけるPTSD  白川美也子
 国際テロ事件の人質におけるPTSDとその予防  金吉晴
 パニック障害とPTSD  貝谷久宣
 EMDRを用いてトラウマを再構成する  北村雅子・市井雅哉
 臨床の現場から
  多重人格(解離性同一性障害)の事例  中村曜子・笠原敏彦
  大震災は精神症状にどのような影響を与えたか  山口直彦
  交通事故被害とPTSD  阿瀬川孝治
  児童虐待によるPTSD  田中ひな子
  いじめによるPTSD  榎戸芙佐子
  災害避難住民における心的外傷ストレス関連障害―雲仙・普賢岳噴火災害の場合  太田保之
 ストレスで人は死ぬのか?  吉田謙一

 
 
 
トラウマの臨床心理学

著者:西沢 哲 出版社:金剛出版
発行日:1999年02月 価格:¥3,360(税込)


【出版社/著者からの内容紹介】
阪神・淡路大震災や地下鉄サリン事件を契機にして,わが国においても「トラウマ」という言葉が広く知れ渡るところとなった。しかしその概念を曖昧にしたまま適用が拡大されていった結果,心の傷はすべてトラウマであるといった発想がもたれる結果ともなった。  本書ではまず,トラウマの「発見」からDSM-IV成立に至るトラウマ概念の歴史を概観し,PTSDの診断基準を詳細に検討した上で,「トラウマとは何か」という本質的な問いかけにさまざまな角度から接近する。
 そして,トラウマを生じる危険性が非常に高い子どもの虐待について,トラウマという概念を用いた場合に,その心理的,行動的な特徴がどのように理解されうるかを検討する。
 心の傷がいったんトラウマへと発展した時には,自然治癒はほとんど期待できなくなり,トラウマそのものに焦点を当て,トラウマがどのようなプロセスで消化吸収されていくのかという理論的な枠組みをもとに展開される心理療法が必要となる。本書の後半では,トラウマの心理療法の一般的原則を整理し,トラウマを受けた子どもへの心理療法的なアプローチを展開している。
 トラウマという壮大なテーマに果敢に取り組んだ本書は,心理療法の実践にあたるすべての者にとって,トラウマを理解し,その概念を臨床的に活かす上でのひとつのメルクマールを打ち立てている。
【目次】
はじめに
第I部 トラウマとは何か――トラウマ概念の理論的整理
第1章 トラウマ概念に関する歴史的概観
1 トラウマの発見
2 ヒステリーの病因としてのトラウマ
3 トラウマと精神分析
4 戦争のトラウマと戦闘神経症
5 トラウマ反応の理解の統合化
6 1980年以降の展開

第2章 現在のPTSD概念
1 DSM-IVにおけるPTSD
2 トラウマとなりうるストレス
3 侵入性の症状
4 回避性および麻痺の症状
5 自律神経の興奮症状

第3章 トラウマとは何か
1 トラウマの定義
2 PTSD症状の力動的理解:トラウマ反応の二相性
3 トラウマの再現性
4 自己概念および対象概念に対するトラウマの影響
5 感情調整の障害
6 自傷行為−感情調整機能という観点からの理解 7 トラウマと解離性障害
8 トラウマの内在化という概念について
9 トラウマ反応に関する包括的な理解
10 トラウマと境界性人格障害

第II部 子どもの虐待とトラウマ

第4章 虐待の四つの形態
1 身体的虐待(physical abuse)
2 ネグレクト(neglect)
3 性的虐待(sexual abuse)
4 心理的虐待(psychological abuse)

第5章 虐待による心理的影響:トラウマの視点から
1 トラウマ刺激としての虐待
2 子どものトラウマ反応
3 虐待によるトラウマの『自己』の諸機能への影響

第III部 トラウマへの心理療法的接近
第6章 トラウマの心理療法の一般的原則
1 トラウマを解決するとは:心理療法の目標
2 トラウマの心理療法の原則

第7章 トラウマを受けた子どもの心理療法
1 修正的接近:トラウマによって生じた歪みの修正
2 回復的接近:トラウマへの直接的な働きかけ
3 現状と今後の課題

 
 
 
子どものトラウマ

著者:西沢 哲 出版社:講談社
発行日:1997年10月 価格:¥756(税込)


【内容(「BOOK」データベースより)】
身体の傷は治っても心の傷は消えない。人格を、ときには人生さえ支配してしまうトラウマとは何か。第一線での臨床活動をふまえて「子どもの虐待」の問題をとらえなおし、傷ついた子と親の心の回復を説く。
【目次】
はじめに

子どもの虐待を考える
  虐待とは何か
  「虐待」という言葉は何を意味するのか
  虐待の四つのタイプ

トラウマとしての虐待
  トラウマとは何か
  精神医学はトラウマをどのようにとらえてきたか

虐待のトラウマと子ども
  虐待を受けた子どもはトラウマを抱えて生きていく
  トラウマは「自己」にどのように影響するのか
  失われる「自己」−トラウマと解離性障害

子どもを傷つけてしまう親たち−虐待を生じるトラウマ
  どのような親が子どもを傷つけるのか
  子育てに悩む親たち
  3親たちのトラウマ

トラウマが癒えるということ
  トラウマを癒す三つのR
  傷ついた子どもの心を癒す
  トラウマを抱えたまま大人になった心をいかに癒すか

おわりに

主要参考文献

 
 
 
トラウマティック・ストレス―PTSDおよびトラウマ反応の臨床と研究のすべて

著者:ベセル・A. ヴァン・デア・コルク,ラース ウェイゼス,アレキサンダー・C. マクファーレン 訳:西沢 哲
出版社:誠信書房 発行日:2001年09月 価格:¥8,925(税込)

【内容(「BOOK」データベースより)】
本書は、トラウマ性のストレスとその治療について、これまでの研究成果と臨床的知識を集大成したもの。さまざまな領域の専門家からなる執筆陣によって、1980年に外傷後ストレス障害(PTSD)が定義されて以来行われてきた数多くの研究のエッセンスが凝縮されている。また同時に、トラウマ体験後の適応の複雑さ、まだその有効性が確立されていないPTSDの治療方法など、これから探求されるべき課題も提示。記憶、解離、文化とトラウマの問題、生物学的および心理学的プロセスの複雑な関係など、トラウマ研究の中心的な問題を取りあげながら、治療的介入が効果をあげるためには、PTSDが進行していくプロセスとその個々の段階について、深い理解が不可欠であることを明らかにしている。
 
 
【目次】
第1部 背景にある諸問題と歴史
 トラウマというブラックホール
 トラウマとその社会的課題
 精神医学におけるトラウマの歴史

第2部 急性の反応
 ストレス 対 トラウマ性ストレス

第3部 トラウマへの適応
 トラウマ性ストレス因子の本質とトラウマ後反応の疫学
 回復力,脆弱性,およびトラウマ後反応の経過
 トラウマへの適応の複雑さ、自己制御、刺激の弁別、および人格発達
 記録する身体
 臨床と研究場面における外傷後ストレス障害の評価

第4部 記憶:そのメカニズムとプロセス
 トラウマと記憶
 PTSDにおける解離と情報処理過程

第5部 発達的・社会的・文化的諸問題
 幼少期・思春期のトラウマ性ストレス
 外傷後ストレス障害における法的問題

第6部 外傷後ストレス障害の治療
 外傷後ストレス障害の治療に関する概略
 トラウマ後ストレスの予防
 外傷後ストレス障害の認知行動療法・精神薬理学的治療・精神分析的心理療法
 治療環境と新たな探究

 
 
 
 
 
PTSD治療ガイドライン(第2版)

著者:エドナ・B・フォア, テレンス・M・キーン, マシュー・J・フリードマン, ジュディス・A・コーエン, 翻訳:飛鳥井 望
発行日:2013年5月、価格:¥7,770、出版社:金剛出版

【内容(「BOOK」データベースより)】
前半は代表的文献の紹介を含むポジションペーパー、後半はそれを要約した治療ガイドライン。改訂版では、子どものトラウマ治療に関して大幅な記述が追加された。診断評価、早期介入、認知行動療法、薬物療法、学校での介入、力動的精神療法、創造芸術療法と、子どもの領域として一挙に7章が割かれ、充実した内容となっている。
【目次】
    • 日本語版への序文
    • 監訳者序
    • 編集者・監訳者紹介
    • 分担執筆者

    • 第1章 序論

  • 第1部 PTSDの診断と評価
    • 第2章 成人の評価と診断
    • 第3章 子どもの評価

  • 第2部 早期介入:急性ストレス障害の治療と慢性PTSDの予防
    • 第4章 成人の心理的デブリーフィング
    • 第5章 児童青年期の急性期介入
    • 第6章 成人の認知行動的早期介入

  • 第3部 慢性PTSDの治療
    • 第7章 成人の認知行動療法
    • 第8章 児童青年期の認知行動療法
    • 第9章 成人の薬物療法
    • 第10章 児童青年期の薬物療法
    • 第11章 眼球運動による脱感作と再処理法(EMDR)
    • 第12章 集団療法
    • 第13章 学校ベースでの児童青年期の治療
    • 第14章 成人の力動的精神療法
    • 第15章 子どもの力動的精神療法
    • 第16章 心理社会的リハビリテーション
    • 第17章 催眠
    • 第18章 成人の夫婦・家族療法
    • 第19章 成人の創造的芸術療法
    • 第20章 子どもの創造的芸術療法
    • 第21章 PTSDと合併障害の治療

  • 第4部 治療ガイドライン
    • ガイドライン1 成人の心理的デブリーフィング
    • ガイドライン2 児童青年期の急性期介入
    • ガイドライン3 成人の認知行動的早期介入
    • ガイドライン4 成人の認知行動療法
    • ガイドライン5 児童青年期の認知行動療法
    • ガイドライン6 成人の薬物療法
    • ガイドライン7 児童青年期の薬物療法
    • ガイドライン8 眼球運動による脱感作と再処理法(EMDR)
    • ガイドライン9 集団療法
    • ガイドライン10 学校ベースでの児童青年期の治療
    • ガイドライン11 成人の力動的精神療法
    • ガイドライン12 子どもの力動的精神療法
    • ガイドライン13 心理社会的リハビリテーション
    • ガイドライン14 催眠
    • ガイドライン15 成人の夫婦・家族療法
    • ガイドライン16 成人の創造的芸術療法
    • ガイドライン17 子どもの創造的芸術療法
    • ガイドライン18 PTSDと合併障害の治療

  • 第5部 結論
    • 第22章 統合と要約

    • 文献
    • 索引
 
 
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